北朝鮮半潜水艇展示館

(注)この展示場は大韓民国全羅南道 麗水市の博物館です。

1998年12月17日午後11時15分、朝鮮半島南端に位置する韓国麗水市の沿岸警備所から、不審船発見の一報が発せられた。
これが韓国海軍と北朝鮮特殊潜水艇との7時間半にわたる追撃戦の始まりであった。
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船体内部と船尾外付けの燃料タンクでは北朝鮮からの単独航行は不可能なため、麗水近海に潜入した工作支援船から発進したといわれている。
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ボート用のエンジン3基で高速航行する。ゲリラ兵器らしい寄せ集め感がある。
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自爆装置の爆発で内側から開いた穴に見える。
解説によると、追跡の果てに被弾し航行不能に陥り潜航、とどめの爆雷4発で撃沈となっている。
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発見の一報を受けて複数の巡視艇が現場に向かうが、半潜水艇は既に姿を消していた。付近を捜索して約2時間半後に8キロ離れた場所で再度発見。
午前3時に高速ボートや巡視艇計6隻が現場に向かう。午前4時頃に潜水艇を発見し追跡、4時半頃に停船を求める警告射撃が行われた。
半潜水艇は機銃で応戦しながら全速力で逃走するが、被弾し航行不能に陥りやがて海中に没した。

雑な再塗装のために、はみ出したケーブル半分まで赤くなっている。
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爆雷の直撃か砲弾が貫通して中で爆発するとこうなるのかもしれないが…。
チューブ状の耐圧船殻のようなものが見える。
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計器盤の残骸
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左にある円盤の載った柱はレーダーとGPSのアンテナ。
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爆発の衝撃なのか、船体がへの字に曲がっている。
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船首舵の基部。単純な形の部品を溶接してある。
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特殊な塗料でレーダー反射しにくいらしいが、警備兵が夜間に船影を捉えた際に使用していたのは赤外線スコープだった。
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船体上部を這い回る配管。マシーネンクリーガーの兵器を彷彿させる。
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船体後部の空気取り入れ口のシュノーケル。
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何かの取り付け台座。韓国の巡視艇に向けて撃った機銃の台座か。
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2010年頃には外部に魚雷発射管を備えて大型化した半潜水艇が配備されているのを韓国情報筋が確認している。
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引き上げられた遺留品が展示されている。
ノースコリアンコンバットナイフ
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チェコスロバキアのマシンガン、Vz61スコーピオン
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最終的に6人の北朝鮮工作員の遺体が回収された。
生々しい遺留品を見るにつけても、たまたまその国に生まれ、結果こうなった彼らもまた不憫な人生であったと思われる。
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土台人と呼ばれる現地の工作員支援要員にメッセージや物資を送るのも上陸工作員の任務の一つ。
墓地や山野の人目につかない秘密の指定場所に物資を埋める埋没連絡と呼ばれる方法を使う。
このスコップで穴を掘るのか。
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手榴弾
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食事?の缶詰
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北韓半潜水艇展示館が正式名称
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追跡地図
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展示館近くの岬の見張り台で最初に発見された。
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全長12.53m、水深20mを潜航できるとある。シュノーケルの長さより下に潜ったらエンジンは使えなさそう。バッテリーモーターに切り替えるのか。
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翌年の引き上げ写真
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過去の浸透作戦の場所が示されている。浸透作戦というのが正式呼称らしい。
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ここの1階に展示場がある。ちなみに、ここは表からは見えない。
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巡視艇の展示
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バス停。英語の案内などないので、とても分かりづらい。麗水市内からバスで1時間くらい。
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さっぱり不明な看板。北朝鮮潜水艇展示と書かれているらしい。
英語ができるというバスの運転手に「ノースコリアンサブマリンミュージアム」といったら「NO」と笑顔で言われた。
見せた地図の近くに来たら、停留所ではないが停まって降ろしてくれた。そこまで来てもわからないのだから、その存在すら知らないような感じだったが、言い方が悪かっただけで書いたものを見せたら通じたのかもしれない。
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ここからはおまけシーン。
同じバスでさらに10分ほどで終点まで行くと、第一発見場所近くの入江がある。
こちらは日の出スポットと古い神社でそれなりの観光地になっている。
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日の出を見る有名スポット
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その近くには約200円の拝観料で断崖に張り付いたカッコいい寺、向日庵(ヒャンイラム)が見られる。
韓国語以外の案内はない。チケットブース前を通り過ぎて先の様子をうかがおうとしたら、韓国語で「おっさんどこに行くんだ、拝観料払え」というような感じのことを言われて呼び止められた。帰りに判明したが、先の方の道は寺からの帰り道専用で、地元人以外はそのまま先に行かない事が判明。
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岩の隙間をすり抜けて凄い坂を上る。
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しばらく急坂を上ると点在する寺院に到着。風光明美で平和。先ほどの鉄棺桶の霊安室のような潜水艦展示よりもはるかに健やかで楽しいと実感する。
人は多いが外国人は少なく、韓国人の人気観光スポットという印象。
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秘境アドベンチャーが楽しめる。
半潜水艇ミュージアムはとにかく遠いので大変です。この写真で満足して、このためだけには行かない方が良いでしょう。
寺を含めるとまあまあいいですが、南部に来ることがあればという程度。ソウルからならやめた方が良いと言いたい。
筆者は家族を置いて出発し、単独で相当ビビりながらたどり着きました。
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